2008年01月27日

コーヒーが植物の種子である事を意識し始めたのはいつ頃だったか、、
それまではグルメコーヒースとかペシャルティコーヒーと呼ばれるもの、はたまたこだわりの熟成オールドコーヒー(冷暗所でじっくりと枯らしていったり、生産地で水分調整されたものをわざわざ陰干しにしたり。。)それから抽出の技術うんぬん。。。そういう興味が勝っていた気がする。

もちろん、そういう情報を得て味創りに生かしてゆくのは当然の姿勢だと思うが、以前程「コーヒー道」のような日本の自家焙煎&喫茶店界隈でもてはやされた「おっさん趣味」の癖に不透明で無根拠な『珈琲うんちく』に興味が無くなっていった。


コーヒーが農作物であり、しかも輸入食材であると言う事。
現にコロンビアだろうとブラジルだろうと生産地では収穫>乾燥後はまずはすみやかに焙煎>カッピング(香味検査)をするし、お米でいう「古米」を例にあげるのは違うかもしれないけれど、豊かで複雑な
香りは当年ものに勝るものは無いような気がする。

輸送にあたっても殆どはコストの低い(とはいえどんどん高騰している現状だが)船便で一ヵ月以上かけて運ばれる。当然、小麦や大豆等のように虫が湧けば燻蒸で薬がかけられる。
一部では高品質で希少性のある商品など冷蔵コンテナで薬無しで、また高価になるが空輸されるものもある。


お米生産と販売の間近に突入して感じ取った感覚から、天候や気象条件にどうしても左右されるのが農作物であるという当たり前の認識や、刈り入れの時期や方法、乾燥、その後の管理など様々な場面で落ち度があると品質を低下させてしまうという「なまもの」としての難しさを実感する事が出来た。

新米の時期はどのお米も香りが立って美味しいという事、品種によってはすこし寝かして旨味がでてくるもの(能登ヒカリは新米、コシヒカリは今頃〜等)、、しかし、年を越して急激に食味が低下するもの、梅雨時から気温の上昇と湿度で悪くなるもの、古米の時期まで殆ど味を落とさない上質なもの、、と経時変化も見逃せない。


植物種子として生きている(発芽可能)である状態では、種子内に成長>発芽に必要な多くの有機性分が含まれている上に、水分量も程よく調整されてくる。
良い土壌でミネラルをしっかり貯えて育ち、完熟をしっかり待ち、種子内の成分が偏らず成熟し、焙煎という加工を加えた時にそれらの成分が上手く生かされる、、そんなイメージ。

焙煎とは焼き焦がす作業のように思われる事があるがそうではなく、そのものがもつ水分を上手くコントロールしながら加熱し内面外面双方の化学変化をもたらして旨みを引き出すことである。野菜の無水調理やカレーを仕込む時の玉葱炒め、洋菓子を創る際の焦がしバターやカラメルも実際に「焦がし」ては旨みもへっちょくれも無い。そのギリギリの所を追求する『調理』である事にも通じる所がある。
上質の焙煎に向かうには種子内の水分の動きを意識しなければならない。

枯れた方が味が整理され(焙煎も容易になる)るという事もいわれ、一理あるけれど、一般に大量に流通し、口にしている味(受動的味覚)、大手企業、外国企業含めての工業生産的味覚がどうしても基準になってしまうという「味の記憶」と好みの問題とからめるともう語ることは不可能に近い。


『焙煎』という加工にあたって、原材料の質が高い事は大前提だけれど、野菜と同等に「農作物」である以上、その安全性や生育の方向性と履歴、流通の透明性が最重要であるし、品の状態を知り、適した焙煎でその持ち味を生かす事が生産者や農作物の恵みへの感謝だと思うようになった。





『かのんブレンド』100g/450円
神音カフェのメインブレンド。程よいコク(苦味・酸味・甘み)とあかるい後口、余韻のある香りを目指しています。
おとなしく飲みやすいけれど、いろいろな表情がある。ブラジル+コロンビア+モカというブレンドの王道に挑戦しています。


【ブラジルイーストコ】〜ブラジルの標準的な美味しさを表現した生豆ブレンド(お米で言う標準米、魚沼産コシヒカリなどのように産地のみ限定)
【アンデス・マラヴィーヤ】〜コロンビア産地指定、ティピカ(コ−ヒ−原種)100%を伝統農法で育てています。
【モカ・アビシニア】〜エチオピア産のモカ。ホマ−農協の特別ロットで天日乾燥処理。

posted by 農夫見習いパパ at 10:42| Comment(2) | カフェ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一度だけお邪魔したカフェ。種子であるコーヒーを焙煎するお部屋の隣のソファでは、たったいま淹れたばかりの珈琲の香りがくゆり、パパさんのお手製カレーが食欲を刺激し…極上の休日を味わったあの日が想い起こされます。

また、雪が溶けたら訪れたいと思っております。
Posted by ににー at 2008年01月30日 13:06
>ににーさま
コメントありがとうございます♪
遠くからお越し下さいましてありがとうございました。こんな我が侭なお店にわざわざ来て下さるということが何よりも嬉しく、
お客様の心地よい時間こそ私の幸せです。
雪はもう溶けちゃいましたよ♪

夢のお店はすでに店主の想像を超え、手を離れて様々な素晴らしいお客様達の共有空間になってゆき、いつの間にか本人が憧れてしまうような場所になってきました。。管理人で、裏方で、ホストでいられる心地よさが大好きです。
Posted by 農夫見習いパパ at 2008年01月31日 01:43
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。