2008年01月13日

ゆき

金沢に住んでいた約10年程の間、雪というもののイメージはぐしゃぐしゃで汚くて、融雪装置がめくらめっぽうに飛沫をまき散らし、そこをマナーの悪い車が吹き飛ばしながら走ってゆく。。
雪の兼六園や犀川や医王山や白山麓の遠景からの美しさや、流れゆく雲間の色や光の美しさには確かに心奪われる事が多々あったけれど、目の前に散らかる邪魔者でしかない雪には美しさは無かった。

山里にしんしんと降っているゆきは、、おそろしい程、うつくしい。
手にとっても、たとえ泥ごとスコップでめくろうとも、
ひとたび地に触れたらもう雪の勝ち。
勝ち誇ったものの堂々とした美しさ、儚く消えても潔い美しさ。

忘れ去った景色を心の奥底から呼び起こし、只冷え込むばかりの冬の力とは別の、なにかやさしい佇まいさえ見せる。




この冬は前の冬ほど穏やかではないだろうとの予測から、雪囲いも心の準備も防寒対策もしっかり備えている。けれど、12月に目立って積もらなかった事や、農作業の感を伝える地区の人々からは「今年も穏やかだろうねぇ、、」との声も。

でも降らない、積もらないというのも農作物の生育に害になる場合もある。
雪に埋もれる事で氷点下を防ぎ、土壌菌もわずかに活性する。
が、雪が無いと水不足の心配だけで無くて春先からの野菜全般の管理に響いてくるそうだ。。
とはいえ、10年前20年前、、もっと昔に比べても雪はどんどん減ってきているらしい。野菜の種も人の知恵もずうっと継がれてきたた中で、緩やかに、すこしづつ、自然と共に歩んできた。

ゆきのうつくしさはわすれてはいけない。

紅葉の美しさは、わざわざ名所で楽しむものではない。

新緑の美しさに目を奪われるばかりではなく、
そこに今年は無い色があるはず。それを見のがしてはいけない。

自然は悲鳴を上げている訳では無い。

涙を忘れてからだが泣いているのは人間のほうだ。


やさしく降り積もり、ときに、激しく吹雪き轟き、どさりとおもさをくわえて語りかける。


自然は厳しくなんかない。

歓びと力を得る術を忘れたのは人間のほうだ。



まちなかの融雪装置に人の業をみる。
わずか1日町の商業が動かない事を恐れる余り、ヒステリックなまでに数年越しの巨費を税金より引っ張り出し、その場しのぎの癖に負荷ばかり残す愚かしい事業を後押しする。
冬ごもりして困るのも人間がけれど、悪あがきしてあちこちを傷つけるのも人間。

、、そうして汚された雪も、新しく空から落ちる時は等しく美しい。
posted by 農夫見習いパパ at 23:20| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
冬の冷たい空気の中で凛と咲く梅の花束を「神子の里」で購入してきました。花瓶に挿すとあたりに気品が漂い、なぜかブラームスのピアノ交響曲第2番を思い出す私です。
あなたは、なんという美しい文章を書く人なのでしょう。人には、それぞれいろいろな才能がありますが、その若さでしっかりとした心の眼で人間界を見つめ、自分の歩むべく道を確固たる信念の元に進もうとしている。感心しています。貴方の年齢の頃、自分はまるで周りの見えない未熟な大人でした。ある意味羨ましい限りです。今後とも
奥様と幼子さんと大地を踏みしめていってくださいね。貴方達の生き方に共感し、刺激も受けています。苗木がやがて、素敵な樹木になるよう、応援していますよ。
Posted by yusuge at 2008年01月14日 20:57
>yusugeさま
神音にお越し下さりありがとうございます。
神子の里の梅の枝、私もしばし見とれてしまいました♪すこしづつほころび、冷え込んではまたとどめ、、しかし、確実に春を知らせる徴。
寒さはまだまだ続くでしょうし、冬にしか出来ない仕事もまだまだあります。

私はただ「生き急いで」いるだけです。。。周りに心配をかけ、迷惑を及ぼしているかもしれない。。そう思うとまた神経質にストイックに過ごして追い込んでしまう。傍迷惑な存在です(苦笑)
どうぞ、お比べにならないよう。yusugeさんのように、先輩が落ち着いて見守ってくださる。。その事実に感謝し、甘えさせていただいております。

親が私につけた名前「一樹」は最小限の単位。ひとつの循環する生態系を作り上げる、大樹になれと、根をしっかり張り、枝を広げ、自立せよ。との意味だと聞きました。
無理に伸び広がったりせず、自然の理に沿いながら生き長らえてゆきたい。そう思えば、今の私は余りにも急ぎ過ぎています。。本当の意味で反省を知らないという事がまた恥ずかしい若さでもあります。

Posted by at 2008年01月15日 20:32
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