2008年06月07日

エチオピア

エチオピア、イエメン産コーヒーが日本への入港時に残留農薬が引っ掛かり差し止められた。アフリカ最大の生産量を誇るエチオピアは零細農家や無数の農協が実に広い地域でコーヒーを生産しているが、度々メディアでも取り上げられる経済格差からの深刻な貧困問題や、搾取的資本の関わりについても実際は日本では情報が不足しすぎていて判断出来ない部分でもある。

アフリカ大陸や中南米を指してよく搾取の歴史と現状を取り沙汰する論もあるが、どの国でも中央の政治から離れた土着的な暮らしは存在するし、生活に対する価値観というものはあくまでわれわれ資本主義経済の只中にある者からの偏った視点でしかない。

かといって、人権的な不均衡を正当化するわけではない。搾取的構造は確かに存在するのだ。与えられる情報と世間体に流されずに、客観的なスタンスを保ちつつも自分という固体がそこへどう向き合って行くか?が重要な気がする。地球環境の問題についても同じだとおもう。未知の部分にはとかく必要以上に警戒し、極端でわかりやすい反応を示してしまうのが人間の弱さの常(自己正当化)だと思うが、自分という命がもしかの問題国に生れ落ち、翻弄されているとしたら。。。そんな想像力が論の中から欠如しているような気がする。

確かに解らないものに自分を当てはめるなんて出来ない相談だろうけれど、今与えられている当たり前(と自分が思い込んでいる)価値観のうちいったいどれくらいまでが「ほんとうにたいせつ」なんだろうか?

音楽が好きな僕にとってアフリカは、南アフリカのレディスミスブラックマンバーゾであり、アブドゥーライブラヒム(ダラーブランド)であり、異郷の地に住まわされ閉じ込められたラスタファの聖地。ポールサイモンであり、ロバートワイアットであり。

ぜんぜん脈絡が無いのかもしれない。けど、社会科の授業で教わって印象的だった、つい最近まで横行し未だ解決していないアパルトヘイトという大きな社会問題を抱えた国の人間が発する声にしてはあまりにも明るくやさしい響きを持った音、声。
遠く離れた異国の人間である僕の心に触れるやさしい音楽。。

そこにあるのは共感の心。普遍的ななにか。

ブラジルや南洋の島々でもかつて殖民地であった時代の暗いイメージはかならず引きずっている。戦争の傷跡だって世界企業の大きな広告を上から貼り付けて隠してるだけ。
いつしか資本主義経済という新たな悪魔がグローバリゼーションという飛行機に乗ってより巧妙で残酷な搾取を行っているが、皆が搾取しあう今の時代、まるでお互いの傷を深めつつ舐めあうような生ぬるく苦しい世界に変わってきているような、、そんな暗い想像を働かせてしまう。。。

でも、世界を旅する音楽によって繋ぎあわされている。
そういう人間の温もりや繋がりをみなが求めて止まない。



神音カフェのコーヒーのうち、「かのんブレンド」に使用している『モカ・アビシニア』はエチオピアホマー農協の組合員である農園指定(複数の可能性はある)の生産する自然乾燥(ナチュラル)製法のコーヒー。水洗処理設備を持たない小農園の生産指導(より高品質で高価に取引されるコーヒー作りの営農指導)やナチュラルで起こりがちな発酵欠点豆の発生を防ぐ管理指導など、さまざまな取り組みを前向きに行っているという。
そこにどこまでの搾取的(と外国人が判断する)構造があるか?気になっているが、品質の高さから推察できる『農家のものづくりとしての良心』が感じられる所から深刻では無いと思いたい。

「御陵山ブレンド」に使用している『モカイリガチェフ』も同じくホマー農協の商品だが、水洗式でハイグレード。世界でも評価の高い高品質コーヒーだ。上記と同じ理由で信頼しているが、継続的な農業、継続的な品質向上への努力を意識していることは間違いないので、その中でより農家所得を増やし、更なる「おいしい(気持ちの良い)コーヒー」をつくって欲しい。

書いていてなんだか日本の農業に通じるジレンマを感じた。
「継続的・発展的・長期的」視点。。。そして経済。

もうひとつのモカは「よぼしブレンド」に使用しているイエメン産のクラッシックモカ『モカマタリ』。これはブランドが出来上がっている上、古来より農家が自立的に(自給的に)営農していた暮らしに基づいた国の背景が違うので安定的と思いたいが、近年品質が落ちていると言われたりしている。
個人的には昔のモカを知らないので軒並み「スペシャルティ」で「おいしい」コーヒーがあふれかえって影が薄まっているだけのような気もする。


すべて(全量)のコーヒーではないし、去年度の入港分は検疫を通っているので判断しにくいけれど、トレースできるところまでの情報では現地農協と輸出業者までの工程ではそういう薬品が使用されるような状況は無いとのこと。そこから先、いくつもの業者を通じて日本に渡るどこかで使用され、汚染されているらしい。それで、命令検査が入り、入った事自体でこの上記2国からの『モカ』が今年度ほとんど入港しない恐れがある。


ブレンドに使用しいているので、一部使用品目を置き換えレシピを変えるか、お休みしなければならないかも知れない。。お客様にはご迷惑をおかけすることになるが、うちのような小さなロースターは深刻な(量的な)状況には及ばないかもしれない。。
「おいしいコーヒーの真実」というイギリスのドキュメンタリーを御覧になった方は是非、中米やアジアのコーヒー生産の状況にも興味を持っていただきたい。国ごとに、地域ごとに問題を抱えている。
判断は簡単には出来ないけれど、やさしい音楽のように、明日を夢見て、地道に取り組む人たちがそれぞれの場所にいる。
その人たちを応援できるように、自分の力も蓄えていきたい。
posted by 農夫見習いパパ at 17:00| Comment(7) | カフェ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。